【体験談】アニメーターやアニメ監督になる方法|制作者の収入や仕事内容も解説

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アニメ制作者になる方法

2021年、年間310本ものテレビアニメを制作した日本のアニメーション業界(参照:日本動画協会。国内外問わずアニメ好きのなかには「実際にアニメ業界で働いてみたい!」と感じている人もいるのではないでしょうか。

でもアニメ業界ってどうやって目指すの?過酷って聞くけどホント?

りゅう

現場によってハードになることも多いよ。それじゃあ目指すための方法やノウハウを解説するね

この記事ではアニメーターやアニメ監督、制作を目指す方のために以下の内容を解説します。

この記事でわかること
  • 仕事内容と年収
  • 就職(所属)するための方法
  • 今からできる準備
  • 向いている人の条件

実際にアニメーション業界にいた筆者の体験談も絡め、大切なポイントをまとめました。業界に対して漠然とした不安を抱いている人は、ぜひ参考にしてくださいね。

この記事を書いている人
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竜(りゅう)
  • 2年制アニメーション学校出身
  • 都内の制作会社で約6年、TVアニメ・劇場アニメの制作を経験
  • 役職:制作進行、設定制作、制作デスク

結論はこちら

  • 初心者は専門学校か大学へ通うべき
  • 自信があるなら試しに第3志望の企業へエントリー
  • はじめの数年は低収入を覚悟(特にアニメーター)

ニメーション学校の比較記事↓↓

目次

アニメ制作者の最終学歴|78.5%が専門または大学卒

アニメ制作者の最終学歴 グラフ

近年ではアニメーション業界を目指す人の大半が「専門学校」や「大学」を出ています。アニメ制作には専門的な知識や経験が必要になるため、まったくの未経験で就職(所属)するのは難しいです。

以下は、JAnicA(日本アニメーター・演出協会)が2023年に発表した実態調査の結果。

[アニメーション制作者の最終学歴]

専門学校卒37.4%
大学卒41.1%
高校卒14.5%
短大卒4.0%
参照:アニメーション制作者実態調査2023

(有効回答数:426人)

未経験者は学校で制作工程を学び、実習経験を積むことで就職(所属)しやすくなります。ただし進学には数百万単位の学費がかかるので、学校調査は入念に行いましょう。

[余談]

すでに制作スキルや自信があるなら、第3志望あたりの企業へ試しに応募してみるのもアリかもしれません。もし手応えがあれば、そのまま第1・第2志望へエントリーしてもよいでしょう。

逆にまだ力不足と感じたら、学校でスキルを磨いてから第1志望へ挑戦してみてください。

※会社によって新人をじっくり育てたり、逆にすぐに実践を積ませたりと方針はさまざま。また同じ会社でも、その年の制作本数によって忙しさが変動することもあります。

なので独学から就職(所属)するのが不安な方は、無理せず力をつけてからチャレンジしましょう。

しっかり力をつけてから所属しないとしんどそう

りゅう

自分も初心者だったから専門へ通ってから就職したよ

各学校の比較記事はこちら

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アニメ制作者の仕事内容

アニメ制作者の仕事内容

アニメーション制作には企画から納品までさまざまな作業工程があります。ここではアニメーター、監督、制作がどんな仕事を行っているのか見ていきましょう。

アニメーションの制作工程表

アニメーター(6つの役職)

アニメーター

アニメーターのポジションは動画や原画、作画監督など多岐にわたります。一般的な役職は主に以下の6つ。

キャラクターデザイン

文字どおり作品のキャラを設計するポジション。キャラは作品の魅力に直結するため、責任重大な役職です。

キャラ設定は監督やクライアント、原作者などのイメージを反映しながら作成していきます。漫画のような原作モノでも、アニメとして動かせるよう設計しなおさなければいけません。

キャラごとに必要な設定は、主に「三面図」と「表情集」の2点。

  • 三面図
    • 全身の正面・後ろ・横向きポーズ
  • 表情集
    • 性格がわかる複数の表情をアングル別に作成

キャラクターデザインは「総作画監督(後述)」と兼業することが多いため、技術だけでなく気力や体力も必要とされます。

[補足]

人物以外のモンスターやメカ、プロップ(小物)は、デザイナーを分けることが多い。

原画

「原画」はレイアウト(第一原画、ラフ原画)と原画(第二原画)の2つの工程を合わせたものを指します。

レイアウトとは絵コンテをもとに背景やキャラの移動範囲、カメラワークを作成した画面設計図のこと。キャラの演技もレイアウト作業時にラフで作成します。

完成したレイアウトは演出→作画監督→総作画監督が修正を入れ、次の原画(第二原画)作業としてまた担当者に戻します。

原画(第二原画)とは、作成したラフを演出や作画監督、総作画監督の修正指示に合わせ清書する工程です。

[補足]

第二原画は作業効率化のため、ここ十数年で考案されたシステム。そのため現在のアニメ業界では、レイアウトを第一原画やラフ原画、原画を第二原画といったように複数の呼び方があります。

紛らわしいですが「原画」には広い意味(レイアウト+原画)と狭い意味(第二原画)があるということですね。

作画監督

原画マン(原画作業者)が作成した原画を修正し、クオリティアップするのが「作画監督」の役目です。アニメ制作には複数の原画マンが参加するため、画角やキャラの演技などを作画監督が統一します。

スケジュールにもよりますが、30分枠のアニメなら原画マン20名くらいに対し、作画監督は4名ほど。修正はレイアウトと原画(第二原画)の2回行い、あとの動画へ進んでいきます。

[補足]

作画監督がレイアウト修正することをLO作監(レイアウトさっかん)、原画修正することを原画作監(げんがさっかん)といいます。

作業の流れとしては、

LO→LO演出→LO作監→LO総作監→原画→原画演出→原画作監→動画

といった順になります。

総作画監督

作画監督が修正した原画をもう一段ブラッシュアップするのが「総作画監督」。特にキャラクターのデザインが設定から逸脱しないよう丁寧に修正を入れます。

担当者は基本1名〜3名程度。総作画監督は、画力の高さに加えてキャラ設定どおりに描けるアニメーターが選出されます。

作画クオリティの責任を負うポジションのため、抜擢されることが一流アニメーターの証となっています。

動画

原画をよりなめらかに動かすため、次の「動画」という工程で絵を追加していきます。放送で使われるのがこの動画の絵になるので、ガタつきのない線を引かなければいけません。

作業者は原画の絵と絵のあいだを作成する「中割り」という作業を行います。新人は「動画」経験を経て、動画検査や原画とステップアップするため、アニメーターの登竜門ともいえますね。

動画検査

動画マン(動画作業者)がアップした動画素材は、「動画検査」によってチェック・修正されます。あとの工程が不備なく作業できるよう、未然に事故を防いでくれる動画のスペシャリストです。

動画検査になるには、まず動画を数年ほど経験する必要があります。あえて原画マンにならず、動画検査を10年以上続けている人もいるくらい奥が深いセクションです。

アニメ監督

アニメ監督

制作意図をスタッフと共有し、各セクションの指揮をとるのが「アニメ監督」の仕事です。以下は監督の主な仕事内容。

  • シナリオの構成を脚本家と練る
  • 絵コンテの作成
  • 各部署との打ち合わせ
    • 演出/美術/撮影/CG/色彩設計/音響など
  • 各部署のあがり(素材)チェック
  • 声優・音楽への指示だし
  • 編集・V編(ビデオ編集)の立会い

監督は幅広い知見が必要とされるため、担当できるのは業界でもごく一部です。数年以上におよぶ演出経験を経て、プロデューサーの指名で抜擢されるケースが多いですね。

制作(4つの役職)

制作

「制作」は企画を立て、制作チームの編成をし、各セクションを繋げる役割を担います。制作にも大きく分けて4つほど役職があるので、それぞれ解説します。

プロデューサー

プロデューサーは制作のチーフ的なポジションです。仕事の幅も多岐にわたり、

  • 企画の立案
  • スケジュール作成
  • 資金集め(広告代理店・スポンサーと交渉)
  • メインスタッフの選定
  • 制作時のスケジュールと予算を管理

以上のように1からプロジェクトを始動し、制作現場側とクライアント側を立ち回ります。アニメの知見だけでなく、優れた社交性と交渉力が求められるポジションです。

制作デスク

クライアントとの交渉に重きをおくプロデューサーに対し、制作現場で予算と進行の管理に徹するのが「制作デスク」。主に各話数を担当している「制作進行」から進捗を確認し、全体スケジュールをコントロールします。

ほかにも音響(アフレコ・ダビング)や編集の立会いや、演出・作画監督の手配など仕事内容はさまざま。デスクはプロデューサーになる手前のポジションでもあり、現場を統括する能力が求められます。

設定制作

作品に登場するキャラクターやプロップ(小物類)、背景などを洗い出し、設定を発注するのが「設定制作」です。制作が始まっても肝心の設定がなければ作業が中断してしまいます。

なので設定制作は、必要な設定が必要なときに用意できるよう準備しなければいけません。

基本的には監督をはじめメインスタッフと相談しながら必要な設定をリスト化します。ほかにもカラーモデル(仕上げで使う色見本)の管理、各話数の演出打ちの立会いもあり、息をつく暇がない役職です。

制作進行

「制作進行」は担当話数の絵コンテから納品までの工程を繋ぎます。進行は作品の内容だけでなく、演出意図や進捗状況まで細かく把握しなければいけません。

はじめに納品までのスケジュール表を作成し、デスクと協力しながら必要な人数の原画マンと作画監督を集めます。絵コンテがアップしたら監督・演出との演打ち(演出打ち)に立会い、次に依頼したアニメーターと作打ち(作画打ち)を実施。

その後は各アニメーター(20〜30名ほど)を追っかけ原画を作成してもらい、次のセクションへ展開していきます。ほかにも音響や編集の立会い、リテイク対応など膨大なタスクをこなさなければいけません。

進行は新人制作の登竜門でありながら、絵コンテ以降のすべての工程を管理する重要なポジションです。

基礎を学べるスクールの解説はこちら

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アニメ制作者の平均年収|トップは監督:787万円

アニメ制作者の年収

アニメーション業界を目指す人は、各セクションの年収も把握しておきましょう。アニメーター、監督・演出、制作の平均年収を以下にまとめました。

(単位:万円)

スクロールできます
役職平均最小最大調査件数
デザイン586.432090014
総作画監督583.8149100013
作画監督574.9280100039
原画399.889108062
動画検査431.12047207
動画263.21855127
監督787.0450107524
演出488.2240100017
絵コンテ513.32509326
プロデューサー589.230073810
制作デスク514.04505782
制作進行325.6189.542515
出典:アニメーション制作者実態調査 報告書2023

アニメーターでは「デザイナー」と「総作画監督」、「作画監督」が平均500万円以上をこえています。一方、新人がはじめの数年担当する「動画」の年収は263万円とデザイナーらの半分以下です。

動画検査や原画になれば家計は楽になりそうだね

りゅう

自分の周りには年収200万円以下の動画マンも一定数いたからね


監督の平均年収は787万円と演出よりも300万ほど高いです。絵コンテと演出は同じくらいの収入になっています。

りゅう

ちなみに絵コンテは演出と兼任することが多いポジション

たしかにクレジットに同じ名前が載ってること多いかも


制作のなかでは平均589.2万円のプロデューサーがもっとも高額。制作は正社員雇用が多いので、個人差はあれキャリアに応じて昇給も見込みやすいです。

りゅう

当時の筆者の初任給は16.5万円。なので表の平均はやや高い印象を受けます

都内だとギリ生活できるレベルだね。動画よりは安定してるのかな

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【初心者向け】今日からできる練習方法

今日からできる練習方法

次に専門学校や大学へ入学する前に、初心者が今から始められる練習法を紹介します。

アニメーター志望

アニメーターは動画のトレスや中割り、タイムシートの打ち方などさまざまなテクニックが必要です。しかし初心者であれば、入学までに以下の3つから磨いていくとよいでしょう。

  • デッサン
  • クロッキー
  • キャラクター模写
デッサン

アニメは絵を描くだけでなく、動かせるよう作画しなければいけません。そのため人体を正しく描ける「デッサン力」が求められます。

あえて不整合に描くというアニメ的な表現もありますが、それは熟練したアニメーターの高等技術です。初心者はまず人物の全身やパーツを、あらゆる角度から精密に描けるよう訓練しましょう。

クロッキー

デッサンとあわせてクロッキーの練習も大切です。クロッキーとはモノをすばやく的確に捉えるための練習法。

モチーフを時間をかけて緻密に描くデッサンに対し、クロッキーは30秒・1分・3分といった短時間で行います。アニメーターには「生産性(スピード)」も必要になるので、クオリティと早さを意識して作業しましょう。

最近はYouTubeにクロッキー用の動画がたくさんあるので、活用してみてくださいね。

キャラクター模写

アニメのキャラクターを見ながら、そっくりに描く模写の訓練も行ってください。アニメーターは作品ごとの設定に合わせキャラを描き分けられないといけません

設定どおりに描けないと作画監督や総作画監督の修正が増えてしまいます。まずは自分が好きなキャラから取り組んでみましょう。ただし等身やデザインは、さまざまなパターンを模写するよう意識してみてください。

りゅう

初心者はとにかく「描く」ことが大事。細かいテクは学校で学べるので、まずは基礎を固めましょう

アニメ監督・制作志望

演出や制作に必要なスキルもさまざまですが、以下のような取り組みから始めるとよいでしょう。

  • 作品鑑賞
  • 写真・動画編集
  • プラスα(作画・歴史学習・コミュニケーション)
作品鑑賞

アニメや映画、芸術、小説などあらゆる作品を浴びるように鑑賞することが重要です。なぜならアニメのカット割りや世界観は、ほかの作品を参考にしていることが多いからです。

あまりピンとこない方は、試しに20分(テレビアニメ1話分)の絵コンテを作成してみましょう。すると画面構成するために、たくさんのインプットが必要なことに気づくはずです。

作品を鑑賞したあとは、毎回感想を残すことも大切です。監督や制作は「こんな作品にしたい」というイメージをスタッフに説明できなければいけません。

あらゆる感覚や物ごとを言語化するクセをつけておくと、将来強力な武器になるでしょう。

写真・動画編集

実際にカメラを使い、写真や動画を撮影してみましょう。カメラをもっていない人はスマホでも構いません。

アニメは1カットごとに画角・アングルが細かく設計されています。そのため広角・望遠といったレンズの仕組みを知ると、制作への理解が深まります

さらに撮影した素材は、1本の映像作品として編集してみてください。編集経験を積むと、構成力、尺感覚といった演出力が磨かれるでしょう

近頃は無料で使える編集ソフトも多いので、気軽に始めてみてください。

プラスα(作画・歴史学習・コミュニケーション)

演出や制作志望者も画力がある方が仕事の幅が広がります。特にアニメーターから監督を目指すなら画力は必須なので、デッサンやクロッキーといった基礎訓練を積んでおきましょう。

ほかにも歴史や社会情勢などの教養も必要といえます。監督・制作は時代の流れを読み、今求められる企画を練らなければいけません。

さらに自分のイメージをスタッフに伝えるためのコミュニケーション力も重要になります。制作においては営業の際にも用いる重要な能力です。

基礎練だけでもやることがいっぱい!

りゅう

今日からコツコツ勉強を始めよう。入学すると一気に忙しくなっていくからね

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アニメ制作者はこんな人に向いている

アニメ制作者はこんな人に向いている

続いてアニメーション業界に向いている人のタイプを解説します。画力や演出力が高いほど有利なのは当然として、より長く続けていくためのポイントをお伝えします。

やりたいことが明確

自分自身に「何がしたくてアニメ業界に行くの?」と聞いてみて、ちゃんと答えられることが大切です。

アニメ制作では膨大なタスクを処理する場面が多々あります。目標がないと仕事がツラいとき「なんでこんな頑張っているんだ…」と心が折れてしまうかもしれません。

筆者がはじめに入社したスタジオでは同期が6名いました。しかしあまりの忙しさに半年後には半分が辞めてしまうことに

なのであなたがアニメ制作者を目指すなら、業界で踏ん張れるだけの「自分なりの意義」をもって挑戦してくださいね。

忍耐力がある

アニメ制作ではプレッシャーに打ち勝つ忍耐力も必要です。制作は放送日や劇場公開日が定められているため、「ミスをして放送を落としたらどうしよう…」といった不安がつきまといます。

特にはじめの数年は先のスケジュールが読めないため不安に陥りやすいです。筆者も制作1年目は、なかなか原画が上がらないと「ラッシュまでに4000枚もの動画に色がつくのか?」と焦っていました。

なので制作者はちょっと図太いくらいの性格で、落ち着いて仕事を進められるタイプが向いています。

学ぶ意欲が強い

日々新しい技術が導入されているのが、近年のアニメーション業界です。その度に自分の知識をアップデートできる勉強家でなければ、業界で生き残ることは難しいでしょう。

現在だと作画が紙からデジタルに移行したり、動画が自動化し始めたりとあらゆる方面で変革が起こっています。私がいた制作会社ではコロナ禍を機に、韓国・中国への紙素材の郵送ができなくなった時期がありました。

そこから一気にデジタル作画が推奨され、気がつけば紙を海外へ郵送するというこれまでの方法は完全廃止されました。なので常に最新のトレンドを追いかけられる勤勉さが、アニメ制作者には必要だといえます。

コミュニケーション力が高い

アニメ制作者にとってコミュニケーション力は必須です。特に各セクションとのやり取りが多い監督や制作には高い社交性が求められます。

アニメーターも原画・作画監督とキャリアアップするにつれ、打ち合わせやギャラ交渉などの機会が増えていきます。人見知りだと制作からの無理な相談を断れず、自分を追い込むことになるかもしれません。

コミュニケーションが苦手な方は、今から少しずつでも周囲と交流し、将来に備えておくことをオススメします。

倹約家

ムダ遣いをしないのも、長く続けていくうえで大事なポイント。おそらく制作者の大半が最初の3年ほどは食べていくのがやっとの収入になるはずです。

筆者も1年目は16.5万円という低給だったため、都内で4.2万円の安アパートに住んでいました。ただ忙しくなると食事でストレス解消したくなるので、それを抑えるのがキツかった記憶があります。

プロになって急に食事が質素になれば、誰でもストレスを感じるものです。なので今から倹約グセをつけ、就職(所属)後に仕事に集中できる習慣を養ってください。

りゅう

制作者に必要な資質が分かったら、自分に合ったベストな学校を見つけてくださいね

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まとめ:初心者は学校でしっかり力をつけよう

まとめ

今回はアニメ業界へ興味を抱いている人へ向け、制作者になるための方法と仕事内容、年収を解説しました。

結論はこちら

  • 初心者は専門学校か大学へ通うべき
  • 自信があるなら試しに第3志望の企業へエントリー
  • はじめの数年は低収入を覚悟(特にアニメーター)

学校には学費がかかるというデメリットがあります。しかし本気で業界で食べていくなら、しっかり実力をつけてからプロになるのがオススメです。

当時、まったくの未経験だった筆者も2年制の専門へ通い制作になりました。私が就職した制作会社は即実践主義だったため「学校で経験を積んでおいてよかった……」と痛感する場面が幾度もありました。

私の経験上、大半の制作会社が人手不足のため、新人でも忙殺されるケースが多いと感じます。制作においては先輩たちもまだ20代だったり、キャリアが数年と浅かったりすることもよくあります。

当時はそんな先輩から無邪気にムチャな要求をされ(たぶん悪気はない)、ハードになることもありました。なのでこれからアニメ業界を目指す人は、他力本願で臨むのは避けた方がよいでしょう

学校生活のなかで確かな実力とプロ意識を身に付けておくこと。そんな綿密な準備のうえで、あなたが大好きなアニメ業界で思いきりチャレンジしてくれることを願っています。

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FAQ:よくある質問

よくある質問

アニメーターの給料っていくら?

アニメーターの平均年収はおよそ263万円〜586万円です。

役職によって異なり最低が動画の263.2万円、最高がキャラクターデザインの586.4万円。

(参照:アニメーション制作者実態調査 報告書2023)

アニメ監督の年収は?

アニメ監督の平均年収は787万円です。演出が488.2万円と300万円近く差があります。

(参照:アニメーション制作者実態調査 報告書2023)

アニメーターになるのに必要な最低限の画力ってある?

新人として所属するには基礎的なデッサン力が必要といえます。モノや人といったモチーフを正確にとらえ、陰影や質感まで精密に描写できるスキルが必要です。

そのうえで「振り向き」「目パチ」「口パク」横位置の「歩き」といった基本的な動画スキルを習得しておくと有利です。

またアニメーターは歩合制が多いこともあり、クオリティだけでなく作画スピードも求められます。私が制作だった頃は「上手さ」「速さ」「人間性」の3つを基準に、各アニメーターさんに仕事を依頼していました。

手が遅いと感じる人は、クロッキーなど短時間で作画する訓練を積んでください。

独学でアニメーターになるにはどうすればいい?

制作だった私なりの意見ですが、

  • デッサン、クロッキー、キャラクター模写をとことん反復
  • 無理くりでも短編アニメを数本制作
  • 動画の基本的なスキルを習得(振り向き、目パチ、口パク、歩きなど)

「歩き」の動画は横位置や正面、背面など描きやすいアングルから挑戦してみてください。最初はすべて紙でもよいですが、慣れてきたら動画はデジタルソフト(CLIP STUDIO)で訓練するとよいでしょう。

画力に自信がついてきたら、試しに第3志望くらいの企業へ応募してみます。応募してみて「まだ実力不足」と感じたら練習を継続。もしくは専門学校などを検討するのもアリだと思います。

アニメーターやアニメ監督志望者に人気の専門学校は?

オススメのアニメ専門学校については、下記で詳しく解説しています。

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